鍵屋さん
世の中いろんな職業があり、いろんな職種があります。
仕事をしていると、多種多様な人と出会うことがあり、それぞれの業界の話を聞いてみるとそれも面白いものでありますね。
何だかんだで、興味深い話も聞いたりできるものです。
世の中には「鍵屋さん」という仕事もありまして。
一番一般的に分かりやすいのは、スペアキーなどを作ってくれる鍵屋さんですかね。
車のキーだったり、家の鍵だったり、世の中にはかぎがあふれています。
そんな鍵全般を取り扱っているのが鍵屋さん。
とはいえ、鍵屋さんにもいろんなタイプの鍵屋さんがあり、万能的な鍵屋さんというのはそうそう多くはありません。
鍵屋さんと仕事をした
とある日の仕事。
色んな人と接点を持つ仕事でありますが、この仕事で出会ったのはとある鍵屋さんでした。
扉に鍵をつけるということで、その鍵を担当している鍵屋さん。
鍵専門でやっている業者さんで、結構いい歳の方でありました。
若いころからずっと鍵をやってきたという方で、社内でも生き字引として知られているベテランさんなんだとか。
一緒にいた若い子がそんなことを言っていましたね。
私は鍵屋ではないので、異業種の方ということでしたが、話を聞いていると色々と面白い話も聞けます。
仕事により単価(人工)が違う
鍵屋さんにも実にいろんな仕事があるそうで。
単純に鍵の販売を行うというのはもちろんのこと、スペアキーの作成、鍵の取り付け、鍵の開錠(しまっている鍵を開けること)・・・。
仕事によって儲かり具合や価格も様々なようで。
どの業種もそうかもしれませんけどね。
中でも話を聞いていて興味深いなと思ったのは、同じ開錠作業でも単価が異なることがあるそうで。
へぇ~そうなんだ~なんて思いましたね。
業界の人じゃないとわからないような話。
鍵によって開ける難易度が違う
鍵と言えば、防犯上欠かせないものであり、その種類は実に豊富です。
構造が複雑で簡単には開けることができないカギほど、セキュリティ性は高い。
それは誰にでも分かります。
しかし、逆を考えると、万が一鍵の紛失があったり管理者がいなくなったりしてしまった場合に開けたいとき。
複雑なカギほど開けるのが困難になるんですよね。
鍵屋さんには、時折「鍵を開けてほしい」という依頼があるようですが、こうした仕事は単価が跳ね上がることがあるそうです。
そんな話を一つ。
とある金庫を開けてほしい・・・という依頼
結構前の話になるそうですが、金庫を開けてほしいという依頼が来たそうな。
話を聞くと、金庫を管理していた方が亡くなり、誰も金庫の開け方がわからない・・・なんて状況。
当然ながら一般人では金庫なんて開けることはできません。
一般人で開けられたら金庫とは・・・となってしまいそうですよね(-_-;)
そこで困った所有者は地元の鍵屋さんに依頼。
金庫の鍵を開けてほしいと依頼して来てもらったのは良いのですが・・・。
地元の鍵屋さんでは開けることができなかったのでしたorz
続けて鍵屋を当たるも全滅orz
1社がだめなら、違う人に聞いてみればいい。
ということで、手あたり次第鍵屋さんを頼り、金庫開けにチャレンジしてもらった所有者。
しかし、来る鍵屋さんはいずれも開錠することができずに失敗。
連戦連敗、金庫というのは厳重になっているものはよっぽど厳重になっているんでしょうね。
失敗した鍵屋さんもプロであることでしょう。
普段それほど特殊な鍵はやっていないのかもしれませんが、ここまで連敗が続くということはよっぽど特殊なのか・・・と思ってしまいます。
そしてとうとう地元ではない鍵屋さんの登場!
私が一緒に仕事をしていた鍵屋さんに依頼がきたのです。
最初は断るも・・・
関東住みの鍵屋さん。
最初はこの仕事断ったそうです。
なぜなら依頼地が北海道であったこと。
関東~北海道ということで、交通費だけでも馬鹿にならない。
場合によっては宿泊迄発生することになることもあり、他を当たった方がいいという判断。
北海道にも鍵屋さんはいるでしょうと。
しかし依頼主も簡単には引き下がらない。
交通費全額負担は当たり前として、仮に開錠失敗したとしても最低限はお支払する・・・という条件を提示。
そして成功報酬はかなりの高額を提示。(後述)
そこまで聞いて、鍵屋さんは渋々請け負うことになりました。
北海道へ!そして開錠に成功!
あまり乗り気はしないながらも、仕事を受けることにした鍵屋さん。
金庫を関東まで持ち込むというのは現実的ではないので、鍵屋さんが北海道へ。
当然移動は飛行機ということになります。
ちょっとした北海道旅行気分で行ったよなんて言っていましたが、金庫のカギを開けるための仕事が始まりました。
現着して噂の金庫と対面。
やはり普通の金庫ではなく、重厚な金庫でありそう簡単に開けられるような代物ではなかったそうですね。
それでも百戦錬磨の鍵屋さん、なんとこの金庫を開錠するのでした。
苦戦したけど何とか開けてやったよと、ちょっとした武勇伝ちっくに語っていましたね(笑)
1日仕事で報酬は100万円!
無事金庫を開けた鍵屋さん。
すると依頼主も大層喜んでいたそうな。
今まで何度も鍵屋さんを呼んで、それが全滅。
それを開けてくれたんですからね、ようやく開いたか・・・といったところでしょう。
そしてその場で報酬を渡すという話になったようで。
成功報酬は旅費含めて100万円!(実際は100万くらいといっていた)
1日仕事で仕入れも材料費もなく100万は中々ないよな~としみじみ語っていました。
交通費は込みだけどなと。
確かにそんな高額な単価の仕事なんて、ほぼないでしょうねなんて言いながら。
俺も業界長いけど、その仕事が今までで一番高い単価だったな(笑)
鍵関連の商品含めてということなら結構行くらしいですが、単純に自分の工賃としての単価でこの金額はすごすぎるとは思いますね。
開錠が難しいほど開錠工賃は上がる
ほかの業界もそうですが、難しい仕事ほど単価は上がっていきます。
逆に簡単な仕事ほど単価は下がっていきます。
誰でもできる仕事が単価が安いなんてのは、容易に想像ができますよね。
鍵の開錠も難しさは一律ではなく、難しい鍵(セキュリティ性の高い鍵)ほど開錠するには専門知識と専門技術が必要となるのでできる人が少なくなる。
できる人が少ないから単価が上がっていく。(安い単価では動いてくれない)
鍵屋さんの業界もこんな構図があるんだとか。
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